部品のような有形物であってもサービスのような無形物であっても、全て適合品ばかりで不適合品が発生する事は皆無です!ということはないと思います。ちなみに、不適合品と不良品は似て非なるものなのでご説明します。
ホワイトボードマーカーを例にご説明します。ホワイトボードマーカーの不良品とはどんな状態でしょうか?
書けない(インクが出ない)。
キャップが割れている。
インクが漏れる。
バリがある。
等、ホワイトボードマーカーとしての機能を損なっているモノは不良品です。
しかし不適合品といった場合、ホワイトボードマーカーの機能は十分満足しているのに不適合品になる場合があるのです。
例えば、お客様から「ノベルティにするから青のホワイトボードマーカーに、うちの社名を印字して200本納品してください」と注文があったとします。
そこで、急いでマーカーに印字し納品しました。
しかし、そのホワイトボードマーカーは黒色でした。
お客様はきっと「青を200本注文したでしょ。青を持ってきてください。」とおっしゃるでしょう。
すると、お客様の社名の印字された黒のホワイトボードマーカーは不適合品となってしまします。お客様の「青色のマーカー」という要求に対して不適合なのです。
ちゃんと書けて、キャップの割れや傷もなく、インクも漏れません。バリもないので、問題なくホワイトボードマーカーとして機能します。でも、お客様の求める色と違うのです。実際は特別採用等といったことで、廃棄処分になる事は少ないでしょうが、どんなに良い品質であっても不適合品なのです。
8.7.1 要求に適合しないアウトプットとは、不適合品のことです。不適合品が誤って工程内で使用されたり(部品であれば良品に混ざって組み込んでしまうことがないように)、お客さまに納品されることを防ぐために、識別して管理する事を求めています。
また、どんな不適合がどんな影響を与えるのかを考慮し、適切な処置を行うことも必要です。これは、納品後やサービスの提供中や提供後に判明した不適合な製品及びサービスに適用する必要があります。
不適合の処理方法については、具体的に4つのパターンで述べています。
まずは、修正です。手直しなどをして適合品のするイメージです。
次に分離です。これは不適合品と適合品を分けるイメージです。
更に、お客様に報告します。
最後に特別採用によって、不適合品を適合品としていただく事です。
8.7.2 この項では不適合の記録に関する要求事項です。記録には以下の4項目を記載する必要があります。
①不適合の内容②不適合に対して行った処置 ③特別採用となった場合はその記録 ④不適合の処置について決定した人が特定できること です。
不適合に処置を施したけど、また不適合になって帰ってきた!などは、あってはならないことです。こうならないためにも、責任と権限を持った人が不適合の処置を決定しなければなりませんね。