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ISO9001 品質 品質マネジメントシステム

ISO9001:2015  8.2 製品及びサービスに関する要求事項

この項では、製品及びサービスに関する要求事項について8.2.1~8.2.4まで、4つの項目に分けてまとめられています。

最初の8.2.1は、契約や受注に至る前までの顧客とのコミュニケーションにおいて含めるべき5つの項目について要求しています。

1.製品やサービスに関する情報をお客様へ提供する事について

2.引き合いや契約た注文があった時の処理について

3.苦情も含めて、製品やサービスに関するお客様からのフィードバックの取得について

4.お客様の所有物の取扱いや管理について

5.関連があれば、不測の事態への対応に関する特定の要求事項について

8.2.2 製品及びサービスに関する要求事項の明確化です。この項では、受注する前提で(市場型の製品の場合は受注ではありませんので、生産決定といった感じでしょうか)実際に製品やサービスを具現化するために必要な要求事項についてです。

まずは、以下の二つを含めた、製品及びサービスに関する要求事項を明確にする必要があります。

1.適用される法令や規制要求事項が定められていること。

2.自分たちの組織が必要とみなすもの

要求事項の明確化では、自社が提供する製品及びサービスについて主張していることを満たすことができる。
最近はSDGsに取り組む企業が多くありますよね。ものづくりの現場でも如何に、「持続可能な世界を築くために何を行うか?」どうやって環境負荷を低減するか?皆さんが知恵を絞り、取り組まれていると思います。自社の製品は「持続可能な社会」貢献します!と主張しているのであれば、これを満足するために実施すべきことも要求事項に含める。といったイメージでしょうか。

続く、8.2.3 製品及びサービスに関する要求事項のレビューです。ここも二つの要求事項で構成されています。

8.2.3.1 8.2.2の中で”受注する前提で”と書きましたが、この8.2.3.1項に以下のような記述があります。

「組織は顧客に提供する製品及びサービスを顧客にて供することを「コミットメントする前」に、次の事項を含め、レビューする事を求めています。
この「コミットメント」とは、「お客様のご注文は当社でできますので、お引き受けします!」といったイメージです。更に付け加えるなら「要求されたとおりにできますよ!」と約束する事です。
コミットしたけど「できませんでした。。。」とならないように、コミットする前に行うべきことに関する要求事項が記載されています。

1.お客様が決めた要求事項。一般的に、「明示された要求事項」といいます。
仕様、納期、数量、単価などです。他にも納品方法や納品後のメンテナンスなどが含まれることもあります。

2.お客様が直接求めてはいないけど、使い方や用途に対する一般的な要求事項です。「暗黙の要求事項」といいます。例えば、お客様がホテルに宿泊しようと予約をする際に、チェックイン日時や拍数、シングルルームなどは要求事項として伝えても、「お部屋は無臭で、タオルやシーツ類は洗濯してあり清潔で、バスルームに髪の毛などが落ちていない部屋をお願いします。」とは言いませんよね。言わなくてもホテルだから当たり前ですものね。このんなイメージです。

3.組織が決めた要求事項です。
例えば、環境負荷の少ない材料を使用するなどがあげられるでしょう。

4.製品及びサービスに適用される法令・規制要求事項
法律やガイドラインなどです。

5.以前と異なる契約又は注文の要求事項
これは、リピート製品等の場合、特にちゅいが必要です。前回通りで受注してトラブルにならないように確認する必要があります。

もしも以前に定めた内容と異なる場合は、それを確実に解決する必要があります。

もし、お客様が要求事項を含めた注文の意思を口頭(書面で出さない場合)のみで伝えてこられた場合は、引き受ける前に確認する事も求めています。
たとえは、こちらから書面をお送りして、返送していただくなどでもよいと思います。メールやFAXでもやりやすい方法でよいので、電話で口頭だけには注意しましょう。

8.2.3.2 この要求事項はレビューの結果に関する記録を求めている項目です。

1.「レビューの結果」はレビューすれば必ず該当するので、何らかの形式で残しましょう

2.「製品及びサービスに関する新たな要求事項」に関しては、該当する事がなければ記録を行う必要はないかもしれません。しかし、行うべき要求事項のレビュー項目としてチェックリスト形式にすると漏れもないですし、間違いなく「製品及びサービスに関する新たな要求事項」がなかったことを示すエビデンス(客観的証拠)となるのでおすすめです

8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更

ここでは、上記の要求事項が変更になったっ場合の手順について求めています。
変更になったら、関連する文書化した情報を変更する事
変更後の情報が関係者に理解されていることも求めています。