5.2.1では、品質方針を立てて、実施して維持してね。という要求事項です。品質方針で満足すべき事が4つ記述されています。
が、本文に入る前に確認です。
組織や会社の場合、社是や企業理念、経営方針などがある事も多いと思います。言語化されていなくとも、こういう企業でありたい、こうやって社会に貢献したいといった思いもある事でしょう。まず、それが基礎にあっての品質方針だとご理解ください。
ISOはISOだし要求事項に併せて作らなきゃ!と新たに設定すると、方針だらけになってしまいます。サンプルや参考資料の見本から引用すると整合性(つじつま合わせ)を確保するだけでも一苦労だったりします。
まず、自社オリジナルの社是や方針やポリシーがあればそれをベースに!が大原則です。ただし、個人情報保護方針やセキュリティポリシー、環境(経営)方針等、品質以外の項目に特化した方針の場合は、品質方針としての説明が難しくなる可能性が大きいのでご注意ください。
例:品質方針
社是だけで不足しているという場合は、品質やQMSに対する思いを肉付けしながら完成させます。ホームページを拝見すると挨拶などに、トップマネジメントの品質に関する思いがある事が多く、こちらを引用しご提案する事もございます。
品質方針とは貴社の品質に対する思いや考えであると考えます。まず、自社の品質とはどういったものであるかについて明確になっていることが大事です。
5.2.2 品質方針の伝達
品質方針を設定する事はゴールではなく方針を明確にして、それを達成するために伝達する必要があります。このことが5.2.2に記述してあります。
まず、品質方針は文書化する必要があります。伝達するために、暗黙知のままでは難しいですよね。
続いて、組織内には伝達して、理解され、適用されている事。とあります。
不具合会見などを見ていると”周知”という言葉を耳にしますが、周知という言葉は、まさに、伝達し、理解され、確実に実行されている状態です。
つまり、組織内に周知しなさい。と言っています。
手段は、自社に合う方法でかまいません。掲出し、唱和する事も手段の一つです。理解のバラつきをなくすための、解説書をつくって読み合わせてもよいと思います。社員が集合する機会に解説してもよいと思います。
最後に、組織内だけでなく”密接に関連する利害関係者”も入手可能な状態にすることが求められます。
いずれにしても大事なポイントは、『わざわざ』ではなく、今ある仕組みと併せて運用できるようにすることが大事です。