この項は4.4.1と4.4.2で構成されています。
まず、『プロセス』ですが、9000番の3.4.1にはインプットを使用して意図した結果を生み出す、相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。とあります。
これ読んでしっくりくる方は、先に進んで問題ないです。
どういうこと?という方は、こう考えてみてください。
『プロセス』は仕事や業務、作業と呼んでください。フェーズや工程がしっくりくる方もいらっしゃるかもしれません。自分の仕事において、しっくりくる訳でよいです。
例えば、作業と置き換えた場合、作業はインプットを使って意図した結果を生み出す一連の活動です。
カレー屋さんの場合、”下ごしらえ”と”調理”、”盛り付け”というプロセス(作業)で構成されてい(るとし)ます。
下ごしらえをするためには、カレーのレシピという情報や、材料、器具といったインプットが必要です。そこに、料理人の調理という付加価値が加わり、アウトプットされるのは、下処理済みの材料となるかと思います。
例:下ごしらえプロセスのイメージ
次は調理のプロセスです。
例:調理プロセスのイメージ
最後に盛り付けのプロセスです。
例:盛り付けプロセスのイメージ
個々のプロセスの集合体もまたプロセスです。
赤と緑で囲った部分ですが、夫々個別のプロセスのアウトプットが次のプロセスのインプットになっている部分です有形、無形に関係なくモノづくりとはこういったプロセスの集合体です。
余談ですが、品質マネジメントシステムはこのプロセスで最終のアウトプットであるカレーの品質を顧客満足のためにどう造り込んでいくかを決めたものだと考えます。
規格ではこういったプロセスと組織全体への適用を決定することを求めています。そのうえで、8つの実施すべきことを定めています。
1.プロセスに必要なインプットとアウトプット(イメージ図参照)
2.プロセスの順番と相互関係。フローチャートのようにするとわかりやすいと思います
3.プロセスの運用と管理のために必要な合否判定基準と方法を決めて適用する事。こうなったら不合格、この範囲であれば合格、等のイメージです
4.プロセスに必要な資源を明確にして、利用できるようにすること
5.プロセスに関する責任と権限。プロセスの責任者さんでそのまま行けそうですね
6.6.1で決定したリスクや機会に取り組むこと
7.プロセスは定期的に評価し、意図した結果になるようブラッシュアップする事
8.プロセスと品質マネジメントシステムを改善する事
そして4.4.2項では、プロセスをうまく運用するための文書化した情報を求めています。ここでいう文書化は手順書やマニュアルなどのイメージです。
そのうえで、計画通りに実施したことを確信(わたくし個人的には、証明するための記録。と読む方がしっくりきます。確信で腑に落ちればOKですよ…)するための記録も求めています。
ちなみに・・・
記録の場合の文書化の表現は『確信するための文書化』とあります。
手順書などの文書化は『運用を支援するための文書化』です。
これからたくさん登場する文書化の読み分け時に参考にしてください。