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”問題”じゃくなくて”ギャップがある”と考える

先日行ったワークショップでのエピソードをご紹介します。

このサイトを立ち上げた初期に、「問題のみつけかた」という、エピソードを紹介しました。

私にとってはとても大事で役に立つ基本なので、職業訓練でも基本研修でも必ず始めん方で紹介するキーワードです。

しかし、前回のテキストを作成する中のインプットで、自分目線で見ると”問題”の一言で片付いていてしまうことも、相手がいれば、夫々のあるべき姿や現状の認識にギャップがあるんだ!ということに気づきました。

これは、前提がある中での一般解を見出す、製造業出身の目線だったんだなぁと反省しました。人様に対して役務を提供する”サービス業”といわれる職種では、多くのことが「個別解」ですよね。

十人十色、千差万別、同じ価値観や感性で100%同じ「こたえ」になる事はないと、わかっていたつもりでしたが、すっかり忘れていました。

一般解であれば、マニュアルにある程度を書くことができますが、個別解はきりがないですよね。だから、考えるときの拠り所になる、理念が大事なんです。

理念は経営方針や、社是や、ビジョンやミッションといわれるものがあるかと思います。しかし、ただ、理念があるだけではダメで、その理念を組織の全員が共通認識とできるための言語化がとても重要です。組織の統一見解として言語化できれば、組織の全員が、マニュアルに書いていなくても、自分で考え、判断し、個別解から最適解を導き出していくことができると思います。

組織の中で、私と合わない人は「問題がある人」ではなく、「私の考えとギャップがあるんだ」と考え、そのギャップを埋めていくことこそが、いま、優先すべき管理職やリーダーの大切なお仕事だと考えます。

特に歴史ある企業様は、一度、理念の棚卸をされてはいかがでしょうか?
皆の気持ちを一つにするためにも、「理念の言語化」お役に立つと思います。

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PDCA コミュニケーション 改善活動 研修会

あるべき姿についてみんなで考える

毎日、蒸し暑い日が続いていますが、体調にお崩しではございませんか?
台風や梅雨など気圧の変化に敏感な方には、ちょっと辛い日々になるかもですが、できるだけ健やかにお過ごしくださいね。

さて、3,4,5月と飛び越して久しぶりの更新でございます。
未熟なわたくしの怠慢でございます。本当に反省。
しかし、濃密な3か月のおかげで色々な気づきがございました!

先日、関与先の社長から、研修のご依頼をいただきました。
以前取り組んでいた5Sについて、「最近、中途の若手が増えたから復習も兼ねた研修会をやってほしい」という、ご要望でした。
そのお客様は、歴史のある企業様で、地元の同業ではリーダー的存在の企業様です。

最近、以前にもまして社員教育や作業環境の改善、待遇や賃金、考課制度などの見直し積極的に取り組んでいらっしゃいます。

早速準備に取り掛かったのですが、前回3年間ほど、継続的に実施したことで基本はある程度、お伝えしているので、少しステップアップした内容にしようと検討しておりました。

そんなときに出会った言葉は「心理的リアクタンス」これは、強制されると反発したくなる、というものだそうです。大事だから5Sをしてください!と強制してもダメなはずだよね…と妙に納得してしまいました。

そこで、なぜ、自分たちが5Sに取り組む必要があるかについて、考えてもらうワークショップにすることを思いつきました。受講者は出席して聞いてヒントを得るだけではなく、どう受け止め、どう考えたかをグループの人たちと、話し合い、自分たちの5Sのあるべき姿について考えていただくというものです。講義1:ワーク4といった感じで検討しました。

なかなかいい感じでのプログラムができましたので、自信満々に打ち合わせに伺ったのですが残念ながら、この企画は没となってしまいました。そこで新たにニーズをヒアリングさせていただき、別のテーマで進めることになりました。

そのワークショップのテーマが、今日のテーマなんです。5Sだけでなく、その企業さんのあるべき姿について、みんなで考えていこうというものです。
新しいスタイルでの進め方で、今までに扱ったことのないテーマでしたが、ポテンシャルの高い皆様は、想像以上に活発に意見を出し合い、協議し、検討してくださいました。拝見していてとても楽しかったです。自由な意見交換の様子を拝見していて、言いたいことが言い合える「全員の心理的安全性」が実現するためにも、こういった機械は非常に有効なのではないかと、わたくしも新しい気づきをたくさんいただきました。

なにより、今回の研修会は社長も役員の皆様も最初から最後までお立会いいただき、見守ってくださいました。社長の本気度を態度でお示しくださいました。

今回は、初回の布石的意味合いもあり、これから具体的に展開していく計画です。

今回のスタイルは応用が利きますし、何より参加者が主役といった空気ですすめられました。お客様にも、とても喜んでいただき本当に良かったです。

皆様も、インプットを目的とした研修から、なぜ、それを行うのか?という、動機付けから参画を求め、皆さんで共通認識を見出していただく新しい発見があるかもしれませんよ。ご興味がわかれましたら、ぜひお問い合わせください。

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コミュニケーション その他

人生100年

7月に、公私ともにとてもお世話になった大切な方が82歳でお亡くなりになりました。
実の親以上に親のように私を育てて、見守ってくださった方です。
今、こうしてお仕事をやらせていただいているのは、すべてその方のおかげです。

お互い住まいが近かったのでお散歩の途中で挨拶を交わしたものです。
60歳になってすぐのころ、ご病気で体が少し不自由になられたのですが、健康のために散歩をし、社長を退かれ会長になられても会社にも顔を出されていました。

しばらく前に施設に入所されていると聞いていたのですが、コロナもありここ数年お顔を拝見していませんでした。
お元気と聞いていたので、急なことで本当に驚きました。
人生100年という時代に、早すぎるお別れでした。

そんなこともあり、老後ばかりを気にしていた私も死について考えていることもあります。人生100年だとすると、折り返した私には、今まで生きてきた分と同じ時間があるようです。
そう考えると、私はまだまだピヨピヨです。

年金をいただいて老後をのんびり…というわけにはいかないですね。
いくつまで働かなければならないかわかりませんが、年長者にしかない経験と知識で必要とされる人間でありたいと思います。

今の食事が10年後の体をつくるといわれるように、今学んだことは10年後の私をつくると信じて、今日も精進いたします。

頑張ると喜んでくれる会長のおかげで、頑張る喜びを知りました。
まだまだあと40年頑張って、お客様とお空にいらっしゃる会長を喜ばせますよ。

心よりご冥福をお祈りいたします。

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コミュニケーション 品質 改善活動

責任と権限

9001規格の中に「組織の役割、責任及び権限」という要求事項があります。
「トップマネジメントは、関連する役割に対して、責任及び権限が割りあてられ…」
と続くのですが、関連する役割とは、組織の品質保証に関連する役割だと考えます。

品質保証部という部署があれば、責任者である品質保証部長の責任とはなにか?その責任を果たすために必要な権限とは何か?

品質保証部のスタッフの責任がどういったもので、それを確実にするための権限としてどのようなことが必要か?と展開していきます。

権限とは責任を果たすためのツールだと思います。
権限を行使するということは、責任を果たすために行う行動であると。

まれにではありますが、なんの責任を果たすためにその権限を振りかざすの?と感じる場面に出くわします。
また、こんなに多くの責任を抱えているのに権限が十分ではないのね…という場面にも出くわします。

前者は周りにいる人たちが本当に大変で、モチベーションが向上することはないでしょう。
後者の場合も、当事者は本当に大変で前向きに取り組み続けることは困難でしょう。
また、それをまじかに見ている人たちにとってもポジティブな印象にはならず、前向きな思考によるモチベーションの向上は期待できず、組織全体の士気の向上は望めないでしょう。その結果、組織にとって好ましい状況にはならないことは明白です。

皆さんの組織ではその役割に必要な責任は明確になっていますか?
その責任を果たせるだけの権限は与えられていますか?

もちろん、その人の力量もあると思います。
しかし力量があっても明確な責任と適切な権限がなければその人の力量を活かすことはできません。

改善が進まない時には一度、責任と権限を見直してはいかがでしょうか?
現状に合った責任と権限になっていますか?
本当にその権限で責任を果たすことができる内容になっていますか?

会社も人も毎日変化しています。
現状に適切でなければ、適切なように変えていけばよいのです。

具体的に動けば、具体的な結果がついてきます。
まずはスモールスタート、スピードスタートで具体的にやってみませんか?

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PDCA コミュニケーション その他

花の咲くころ

我が家のクリスマスローズは毎年バレンタインのころに沢山の花を咲かせてくれていたのですが、今年は一輪も咲きませんでした。そう思いながらホワイトデーが過ぎたころです。

その代わりというわけではないのでしょうが、今ベランダのストックがきれいに咲いております。桃には花芽がついて、水仙も香っています。その横でクレマチスも新芽をグングン伸ばしています。

クレマチスは10年以上育てている大きな鉢植えだったのですが、台風の時に大変なので、株分けをしました。ふた鉢とも元気に新芽を出してくれてよかったです。

部屋の中では、昨年いただいたデンドロビュームにふっくらとしたふくよかな花芽がついています。

花が開くにはもう少し時間がかかりそうですが、この陽気だと近いうちに鮮やかな花を咲かせてくれると思います。

いただいた時のデンドロビュームはびっしりと花がついており長い期間、目を楽しませてくれました。蘭は育てることが難しいと思っていたのですが、枯らしてしまうにはかわいそうと思い、ひとまず水をやっておりました。するとわきから高芽がどんどん出てきます。

秋ごろには高芽を切り取り新しい鉢に植えつけを行いました。

ベランダに出し、水やりをし、肥料もあげました。

花芽をつけるには適度に寒さにあてることも必要ということを年末ごろに知ったので、もしかすると花は咲かないかも?と思っておりました。

沢山の花のつぼみは思いがけないご褒美をいただいた気分です。

花は咲けと言われなくても時が来れば綺麗な花を咲かせます。

私たちの為に咲くわけではないのですが、毎年花が咲き、わたくしたちの目を、鼻を楽しませてくれます。

熱くないように、寒くないように、水と肥料はきらさずに、でもやり過ぎないように。

朝はおはようと言いながら、病気になっていないかと観察します。
花の季節になれば、つぼみがつき、ふくらみ、花を咲かせます。
毎日お世話ありがとう!と言わんばかりに、咲いてくれます。

植物に限らず生き物を育てることは、人を育てることに似ていると感じます。

職場では、作業環境や周りの人員配置は適切か?と注意を払います。

花であれば土です。どんなに水を与え、良い肥料を与えたところで、土が悪ければ元もこうもありません。

日々のOJTは適切に行われているか?

花であれば水です。どんなに良い土で育てても水をやらなければ、花はすぐに枯れてしまいます。

OJTだけでは十分ではない内容について、社外研修の手配をしたり、社内教育を計画します。

花でいうところの肥料です。多すぎれば毒になりますが、まったく与えないと成長や花ツキが悪くなってしまいます。

挨拶の様子を観察し昼食を一緒に食べながら変化がないか観察します。

元気がなければ声をかけ、その時に必要な言葉をかけ、話を聴きます。

花をめでる行為です。かわいいね~。綺麗だね~。お水あげようねと話しかけながら花の声を聴きます。花でもよくない言葉を浴びせ続けると枯れてしまうと言います。

人であればなおさらではないでしょうか、と考えます。

すると、今までできなかったことが少しずつできるようになり、ある日、思いもしないアイディアや意見を発信してくれます。

それまでにない素晴らしい、製品をつくってくれます。

毎年、少しずつ大きな株となり、大きな花を咲かせてくれます。
株分けによって、一鉢がふた鉢に、ふた鉢は四鉢へと倍々に増えていきます。
人も花も育つ姿を見守ることは微笑ましいことです。

ベランダも組織もどんどん華やかに、にぎやかになっていく様子を見ることは本当に微笑ましく、喜ばしいものでございます。

今朝、デンドロビュームの花が開いておりました。
本当にかわいい花が咲きました。

2023年3月17日

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コミュニケーション 品質 改善活動

「伝えた」と「伝わった」

何か問題が起こった時に多くの場合「伝えた?」「聞いた?」「知っとった?(知っていた?)」と関係者に確認します。

すると、片方は「言うたばい」といい、もう片方は「聞いとらんばい」となることが多いです。「そんなこと知らんかった·····」というのもよく聞く言葉です。

ですがどちらも本当のことをおっしゃている事が多いのです。と言うより、どれも本当なんです。

これ「伝えた」が「伝わった」になっていないだけの事が殆どです。

私自身は個別対応でお仕事させていただく事が多く、例えるなら家庭教師のようなスタイルです。なので伝わるまで伝えるのが基本です。
「伝えた」のに「伝わっていない」ということはとても不思議なことでした。

しかし、職業訓練の授業やレクチャーのようなスクール形式(塾のような先生一人に、受講者が複数いらっしゃる)での出来事です。
発信する私は一人のはずなのに、受講者の数だけわかったの解釈が違うのです。

「伝わった」内容が皆さん違うんですね。
未熟なわたくしは経験するまでわからなかった事です。

しかも、それまでの経験で「こう言えば伝わる」と思って、話していた(伝えていた)ことが、ある時は大きな共感を呼び、ある時は、ザワザワしたりします。

わたくし自身は、「分かりにくかったくないですか?」「質問ないですか?」とこまめに声をかけます。お相手の表情を観察しながら、「分かってないかも?」と感じると結構、しつこく確認します。相手の状況を確認して例えも変えます。これって、個別対応では出来るけど、塾スタイルだと通用しないのです。もちろん声はかけはするのが、「他の人がいると聞にくい·····」「わかってないの私だけ〜?」となかなか、質問が出てきません。

実際、「伝わっていないなぁ·····」と感じても、終わらなければならない時間は決まっています。終わった後にも対応しますがタイミングは重要です。途中で、迷子になると、多くの場合、最後まで迷子のままなので終わった頃に聞きに行こう…とはならないですよね。

こういった有難い経験から気付きをたくさん頂きました。

1.「伝えた」は「伝えたつもり」と考える

2.万人に理解される「例え」は少ない

3.「伝わった」と判断するのは「伝えた私」ではなく「伝えた相手」である

そんなのは当たり前、と思われるかもしれませんが、本当に未熟な私には衝撃だったのです。

これが、最初の「言うた」「聞いとらんばい」につながるのだなぁ…と。

日常業務で起こる不具合や不適合の原因の多くには、1と3が大きく関係しています。

まずここに気づくと改善のスピードがあがりました⤴加速しました⤴⤴

是正処置や再発防止処置と難しくする前に「伝えた」が「伝わった」になっているかな?と考えてみてください。

簡単なようで奥が深いです。

「なぜわらない!」「なぜ、理解しない!理解できない?」と憤るより、「どう伝えたら伝わるかな?」と建設的に考えるとワクワクします。

手を変え品を変えとやり続けて、伝わったときの達成感は癖になります♪
更に前向きな思考や行動は自分にも相手にもポジティブな影響が大きいです。

本当におすすめです(*´︶`*)