Categories
コミュニケーション 品質 改善活動

責任と権限

9001規格の中に「組織の役割、責任及び権限」という要求事項があります。
「トップマネジメントは、関連する役割に対して、責任及び権限が割りあてられ…」
と続くのですが、関連する役割とは、組織の品質保証に関連する役割だと考えます。

品質保証部という部署があれば、責任者である品質保証部長の責任とはなにか?その責任を果たすために必要な権限とは何か?

品質保証部のスタッフの責任がどういったもので、それを確実にするための権限としてどのようなことが必要か?と展開していきます。

権限とは責任を果たすためのツールだと思います。
権限を行使するということは、責任を果たすために行う行動であると。

まれにではありますが、なんの責任を果たすためにその権限を振りかざすの?と感じる場面に出くわします。
また、こんなに多くの責任を抱えているのに権限が十分ではないのね…という場面にも出くわします。

前者は周りにいる人たちが本当に大変で、モチベーションが向上することはないでしょう。
後者の場合も、当事者は本当に大変で前向きに取り組み続けることは困難でしょう。
また、それをまじかに見ている人たちにとってもポジティブな印象にはならず、前向きな思考によるモチベーションの向上は期待できず、組織全体の士気の向上は望めないでしょう。その結果、組織にとって好ましい状況にはならないことは明白です。

皆さんの組織ではその役割に必要な責任は明確になっていますか?
その責任を果たせるだけの権限は与えられていますか?

もちろん、その人の力量もあると思います。
しかし力量があっても明確な責任と適切な権限がなければその人の力量を活かすことはできません。

改善が進まない時には一度、責任と権限を見直してはいかがでしょうか?
現状に合った責任と権限になっていますか?
本当にその権限で責任を果たすことができる内容になっていますか?

会社も人も毎日変化しています。
現状に適切でなければ、適切なように変えていけばよいのです。

具体的に動けば、具体的な結果がついてきます。
まずはスモールスタート、スピードスタートで具体的にやってみませんか?

Categories
その他 改善活動

インプットとアウトプット

入れないと出ない

書類や記録の作成をフォローさせていただく事も重要なお仕事の一つです。

例えばマネジメントレビュー。管理責任者からのインプット情報をお伝えして、社長がお伝えになりたいことをヒアリングしながらアウトプットをつくり込んでいきます。
いきなり「アウトプットください」ではなく、お話を伺いながら「こういう感じで良いですか?」とお尋ねしながらまとめていきます。お客様の伝えたいニュアンスにしっくりはまるととても喜んでいただけます。
「そぅそぅ、そういいたかったんだ!」と。
お気遣いかもしれませんが、「どういう風に言えばいいのかがわからないので、流石ですね~」とお褒めの言葉をいただくと嬉しいものです。

そんなやり取りを繰り返し、2時間程度で完了することが多いのですが、思いがあふれると、伝えたいことがたくさんあるので、まとめるのもなかなか難しく、午後から半日かかてしまうお客様もいらっしゃいます。

でも、これなこれば、私にとっての重要なインプットなので有難い時間です。

社長が言いたいことはその時の会話からだけではまとめることはできません。
また、言い方や言い回し語彙力だけでは社長がお伝えになりたいことを伝えるための文書もかけません。

日ごろから、トップメッセージに対するアンテナを張って貪欲にインプットするようにしています。
時間とお客様の許可があれば朝礼などにも伺ってお話を聴かせていただきます。
社内報等をいただけばすぐに隅から隅まで目を通します。
新聞や経済誌などの記事やインタビューに目を通します。
こういったインプット積み重ねを繰り返しながら、「こういう事でしょうか?」と文書としてまとめていきます。

私が工場勤務の現役のころは、朝礼や会議で見聞きする情報、日々の会話から、マネジメントレビューのアウトプットのドラフトをつくって報告、承認を頂戴しておりました。マネジメントレビューだからと特別なものではなく、日々の積み重ねの記録としてしっかり残すことも重要な役割かもしれません。

人間でも動物でも、植物でも、仕事(プロセス)でも、インプットがなければアウトプットすることができません。日々の生活の中でも食事というインプットがあるから排泄というアウトプットがあります。一般的にたくさん食べるとたくさん出ます(笑)
仕事で、沢山アウトプットしている人はたくさんインプットしているのだろうなぁ…と思います。

私もお役に立つアウトプットができるようにインプットに精進いたします。

2023年4月29日

Categories
PDCA コミュニケーション その他

花の咲くころ

我が家のクリスマスローズは毎年バレンタインのころに沢山の花を咲かせてくれていたのですが、今年は一輪も咲きませんでした。そう思いながらホワイトデーが過ぎたころです。

その代わりというわけではないのでしょうが、今ベランダのストックがきれいに咲いております。桃には花芽がついて、水仙も香っています。その横でクレマチスも新芽をグングン伸ばしています。

クレマチスは10年以上育てている大きな鉢植えだったのですが、台風の時に大変なので、株分けをしました。ふた鉢とも元気に新芽を出してくれてよかったです。

部屋の中では、昨年いただいたデンドロビュームにふっくらとしたふくよかな花芽がついています。

花が開くにはもう少し時間がかかりそうですが、この陽気だと近いうちに鮮やかな花を咲かせてくれると思います。

いただいた時のデンドロビュームはびっしりと花がついており長い期間、目を楽しませてくれました。蘭は育てることが難しいと思っていたのですが、枯らしてしまうにはかわいそうと思い、ひとまず水をやっておりました。するとわきから高芽がどんどん出てきます。

秋ごろには高芽を切り取り新しい鉢に植えつけを行いました。

ベランダに出し、水やりをし、肥料もあげました。

花芽をつけるには適度に寒さにあてることも必要ということを年末ごろに知ったので、もしかすると花は咲かないかも?と思っておりました。

沢山の花のつぼみは思いがけないご褒美をいただいた気分です。

花は咲けと言われなくても時が来れば綺麗な花を咲かせます。

私たちの為に咲くわけではないのですが、毎年花が咲き、わたくしたちの目を、鼻を楽しませてくれます。

熱くないように、寒くないように、水と肥料はきらさずに、でもやり過ぎないように。

朝はおはようと言いながら、病気になっていないかと観察します。
花の季節になれば、つぼみがつき、ふくらみ、花を咲かせます。
毎日お世話ありがとう!と言わんばかりに、咲いてくれます。

植物に限らず生き物を育てることは、人を育てることに似ていると感じます。

職場では、作業環境や周りの人員配置は適切か?と注意を払います。

花であれば土です。どんなに水を与え、良い肥料を与えたところで、土が悪ければ元もこうもありません。

日々のOJTは適切に行われているか?

花であれば水です。どんなに良い土で育てても水をやらなければ、花はすぐに枯れてしまいます。

OJTだけでは十分ではない内容について、社外研修の手配をしたり、社内教育を計画します。

花でいうところの肥料です。多すぎれば毒になりますが、まったく与えないと成長や花ツキが悪くなってしまいます。

挨拶の様子を観察し昼食を一緒に食べながら変化がないか観察します。

元気がなければ声をかけ、その時に必要な言葉をかけ、話を聴きます。

花をめでる行為です。かわいいね~。綺麗だね~。お水あげようねと話しかけながら花の声を聴きます。花でもよくない言葉を浴びせ続けると枯れてしまうと言います。

人であればなおさらではないでしょうか、と考えます。

すると、今までできなかったことが少しずつできるようになり、ある日、思いもしないアイディアや意見を発信してくれます。

それまでにない素晴らしい、製品をつくってくれます。

毎年、少しずつ大きな株となり、大きな花を咲かせてくれます。
株分けによって、一鉢がふた鉢に、ふた鉢は四鉢へと倍々に増えていきます。
人も花も育つ姿を見守ることは微笑ましいことです。

ベランダも組織もどんどん華やかに、にぎやかになっていく様子を見ることは本当に微笑ましく、喜ばしいものでございます。

今朝、デンドロビュームの花が開いておりました。
本当にかわいい花が咲きました。

2023年3月17日

Categories
PDCA その他

にっぱちと仕事は追うもの

にっぱちは良くない

と言いますが、わたくしの関与先でも繁閑のギャップが激しい月です。

お役所関係のお取引が多いお客様やコンビニなどは2月は繁忙期だそうです。

また入札もありますから、入札が決まれば立ち上げでバタバタしますので、わたくしの出番はますます激減。そんな時は、教育資料の作成など間接部門との打ち合わせとデスクワークに励みます。

契約型で個別受注生産の製造業のお客様は閑散期の場合が多く、書類やデータのまとめ、内部監査やマネジメントレビューの準備などを行う時期です。

わたくし自身も普段は隔月の職業訓練が2月と3月は連続で行われるため、繁忙期になるかと思います。

1年間の繁閑を分散して、できるだけ業務量を平準化するように年間計画を立てて行っているのですが、普段お忙しい分、この時期にお休みをとる担当者の方もたくさんいらっしゃいます。

こうなると当初の計画通りになかなか行かないことが増えてきます。

そこも見据えて、調整可能なように遊び(余裕)もちょい足ししておきます。
基本、仕事は翌日に持ち越さないようにすることが原則(最近はわたくしの肉体的な回復に時間がかかるるので最優先は体調として、肉体的に厳しい時は持ち越しOKとしています)なので、予定がぽっかり空いた時は更に前倒して仕事をすすめます。

仕事は追われると大変さが倍増しますが、追えば大変さが半減というか激減します。
同じ仕事のはずなのにこれってとても不思議です。

先日何かで、終わりが見えないと、ヒトは心が折れるから頑張れないというような話を聞きました。
やってもやってもいつ終わるか分からない、エンドレスな状態って本当に辛いです。

仕事に追われていると、目の前のことすら考える余裕もないと思います。すると、辛さが増すから大変だと感じるのだろう·····逆に、仕事を追っている時は、先の見通しが立っているので、終わりも大体予測することができてるなぁーと。余裕が大事と改めて、気づく機会となりました。

過去にも気づいたのですが、毎年気付いているような気がしますが、ホントに2月は逃げていきます。近所の梅が花盛りです。メジロもよい声でさえずっています。
3月も去ってしまった…とならぬようにと、気を引き締めつつ励みます(^-^;

Categories
その他

あけましておめでとうございます

2023年のお正月はとても良いお天気で幸先の良いはじまりとなりました。

今年も一年、皆様にとって素晴らしい年になります事を祈念いたしております。
世界中のみなさまが穏やかで健やかな一年でありますように…
心よりお祈り申し上げます。

令和五年 正月

Categories
コミュニケーション 品質 改善活動

「伝えた」と「伝わった」

何か問題が起こった時に多くの場合「伝えた?」「聞いた?」「知っとった?(知っていた?)」と関係者に確認します。

すると、片方は「言うたばい」といい、もう片方は「聞いとらんばい」となることが多いです。「そんなこと知らんかった·····」というのもよく聞く言葉です。

ですがどちらも本当のことをおっしゃている事が多いのです。と言うより、どれも本当なんです。

これ「伝えた」が「伝わった」になっていないだけの事が殆どです。

私自身は個別対応でお仕事させていただく事が多く、例えるなら家庭教師のようなスタイルです。なので伝わるまで伝えるのが基本です。
「伝えた」のに「伝わっていない」ということはとても不思議なことでした。

しかし、職業訓練の授業やレクチャーのようなスクール形式(塾のような先生一人に、受講者が複数いらっしゃる)での出来事です。
発信する私は一人のはずなのに、受講者の数だけわかったの解釈が違うのです。

「伝わった」内容が皆さん違うんですね。
未熟なわたくしは経験するまでわからなかった事です。

しかも、それまでの経験で「こう言えば伝わる」と思って、話していた(伝えていた)ことが、ある時は大きな共感を呼び、ある時は、ザワザワしたりします。

わたくし自身は、「分かりにくかったくないですか?」「質問ないですか?」とこまめに声をかけます。お相手の表情を観察しながら、「分かってないかも?」と感じると結構、しつこく確認します。相手の状況を確認して例えも変えます。これって、個別対応では出来るけど、塾スタイルだと通用しないのです。もちろん声はかけはするのが、「他の人がいると聞にくい·····」「わかってないの私だけ〜?」となかなか、質問が出てきません。

実際、「伝わっていないなぁ·····」と感じても、終わらなければならない時間は決まっています。終わった後にも対応しますがタイミングは重要です。途中で、迷子になると、多くの場合、最後まで迷子のままなので終わった頃に聞きに行こう…とはならないですよね。

こういった有難い経験から気付きをたくさん頂きました。

1.「伝えた」は「伝えたつもり」と考える

2.万人に理解される「例え」は少ない

3.「伝わった」と判断するのは「伝えた私」ではなく「伝えた相手」である

そんなのは当たり前、と思われるかもしれませんが、本当に未熟な私には衝撃だったのです。

これが、最初の「言うた」「聞いとらんばい」につながるのだなぁ…と。

日常業務で起こる不具合や不適合の原因の多くには、1と3が大きく関係しています。

まずここに気づくと改善のスピードがあがりました⤴加速しました⤴⤴

是正処置や再発防止処置と難しくする前に「伝えた」が「伝わった」になっているかな?と考えてみてください。

簡単なようで奥が深いです。

「なぜわらない!」「なぜ、理解しない!理解できない?」と憤るより、「どう伝えたら伝わるかな?」と建設的に考えるとワクワクします。

手を変え品を変えとやり続けて、伝わったときの達成感は癖になります♪
更に前向きな思考や行動は自分にも相手にもポジティブな影響が大きいです。

本当におすすめです(*´︶`*)

Categories
お知らせ その他

インボイス

気が付けば11月も後半です。
時の流れの速さに驚くばかりです。

さて、今年開業した私にとって「インボイス」と「電子帳簿保存法」はとても大きく影響したお騒がせ問題でした。インボイスといえば、海外から個人輸入したお薬の購入明細の事をインボイスと呼んではいたものの、「何それ?」といった感じです。

ネットで検索して、税務署やコールセンターに確認して理解は出来ました。
お取引いただいているお客様は納税事業所なので、適格性請求書発行事業者の申請しますよ。やりますよ!と税務署の説明会にも足を運びました。しかーし、税務署の説明の中で「よく考えて届け出てくださいね」と何度も念を押されるのです。

そういわれると、自問自答が始まります。「いいのか?何かトラップがあったりするのか?」と不安になってしまうのです。説明はよくわかるのですが、正解がわからないんです。

結局、税理士さんに相談してインボイスの申請にトラップはないと安心できました。
e-taxで申請したのが9月の下旬。
10月中旬には届きましたよ!適格請求書発行事業者の登録通知書。
なんだか少し”事業者”って、うふふ…と思ってしまいました。

何より今回のインボイスのおかげでよかったこともありました。
それは税理士さんとのご縁があったことです。
誰かに相談できる専門家の存在がこんなに心に余裕をもたらすものだとは思いませんでした。それ以上にこの税理士さんは人間力がすごいのです!素晴らしいのです。メール一通、電話一本、そしてお打ち合わせでの面談、何においても元気をくださるオーラが素晴らしいのです。もっと頑張るぞ!と思える、刺激をいただけます。

私もお客様にとってそんな存在になれるように精進いたします!


Categories
品質 改善活動

一流はすぐやる…

一流はすぐやる
二流はあとでやる
三流はあとでやろうとする

以前、勤めていいた会社のA社長(現在は会長)がよくおっしゃっていた言葉です。
「かおっちゃん、一流は何でもすぐすっとばい。だけん、なんでん今せんといかんとばい。後でするとは二流ばい。三流は、あとでしょ…て思うだけでせんとばい」
(私に呼び掛けて、一流はすぐやる、だから今すぐ行動しないといけないよ。後でする人は二流といわれるよ。後でやろうと、思うだけで結局やらないのは、三流だよ)
と、二十歳そこそこの世間知らずに、教えてくださっていました。
そのころ私は工場作業の傍ら、社長室の隅をお借りして、品質保証の仕事をやらせていただいておりました。

まぁ、A社長は常に、何でも、『今、すぐ、やる』ことが絶対でした。
こちらの都合はお構いなしに、「今指示したことに対して、今すぐ返答、若しくは対応」しなければ、ご機嫌がよろしくなくなってしまいます。
例えば数字。気になった数字は、今すぐ見たい、見なければならない、方でした。

熊本弁(不安だったので、調べてみましたら、関西から九州南部で使われるようでね…)で「せからしか」という言葉があります。
うるさい、騒がしい、やかまし、面倒臭い、のような意味なのですが…
勤めていたころは「せからしいお方…」と心の中でつぶやいていました(本当にごめんなさい)

ただ、実際に一流といわれる経営者の方々は、何事も「今、すぐ、やる」でした。
行動も、指示も、決断も、なんでも「すぐ」なので、そんな場面に遭遇すると「確かに」とうなってしまいます。

今日もうなってしまう出来事が…
関与先である企業様の第三者認証審査が終わりました。
審査は8月中旬だったのですが、その審査結果の記載された報告書が届きました。という、お知らせを審査報告書が届いたその日のうちにいただいたのです。
すると、その報告を受信した数分後に、改善が完了した旨の報告とエビデンスが担当の方から届きました。

担当の方は、審査後速やかに是正に取り組まれたようです。
以前から、なんでもすぐやる方でしたが、今日の対応は本当にうなってしまいました。もちろん、その企業様のトップマネジメントも、「今、すぐ、やる」社長です。

企業様の従業員の方や職業訓練などで、『フットワーク』が良く、素直でお伝えしたことをすぐ行動に移す方に出会うと、この人はきっと…と感じることがあります。数年前に、そう感じた社員さんたちが今現在管理職になって頑張っている姿を拝見して、『やっぱりね』とうなってしまいます。

『まなぶ(学)』は『まねる』が語源と聞きました。
うなってばかりでは進歩がないので、私も一流をまねて『今、すぐ、やる』を実践している毎日です。



Categories
品質 改善活動

問題のみつけかた

「問題がないことが一番の問題」
という言葉は皆さんも聞いたことがあると思います。

また、「最近のモンは問題意識がない(低い)」や
「危機感がない(足りない)」などという言葉も耳にします。

うなずいた皆さんに質問です。
「問題」をわかりやすく説明してください。
「問題意識がない(低い)」人や「危機感がない(足りない)」人にわかるようにお願いします。

ここでは、問題を次のように定義します。

「問題」とは「現状」と「あるべき姿(状態)」との「差」である。

こんなイメージです。
「差」は「ギャップ」でもよいと思います。
この「差」が大きければ大きな問題。
小さいければ小さな問題。

問題を見つけることができない人たちは、大きく3つにわけることができます。

まず、現状はわかっているけど、あるべき姿がわからないタイプ

次に、あるべき姿はわかるけど、現状を把握できていないタイプ

最後に、現状もあるべき姿もわかっていないタイプです。

でも、この「現状」や「あるべき姿」がバラバラだと
その「差」も変わってしまうので「問題」の悩ましいところです。

もちろん、経営者と従業員では、「現状」の見える範囲や見え方が違います。
同様に「あるべき姿」も全く違います。

そこで、「現状」や「あるべき姿」のものさしを同じにする必要があります。

このものさしがより「客観的」であることが重要です。
見る人によって評価が変わる「主観的」であってはよろしくないということです。

お金は誰が見ても500円は500円で100万円は100万円です。
(その価値をどう考えるかは今は置いておきます)
500円あれば110円の中華まんが4個買えて60円のおつりがくる。
100万円であれば110円の中華まんが9,090個買えて100円おつりがくる。
的なイメージです。

「あるべき姿」も同じように考えます。

お金で例えて何ですが、お金は簡単。
品質保証はお金だけで割り切れないので、ここが難しいし面白いところなんです。

同じ業種、同じ規模であっても同じでないことが多い。
奥が深いです。なので3現主義で現場に行って、現物を見て、現実を知る必要があるのです。

嘆く前に一度振り返ってみてください。
現状のものさしは共通認識になっているかな?
あるべき姿としてつくった手順書やマニュアルは同じものさしでつくられているかな?
そして、現場に行ってみてみてください。
1日立ちんぼする気持ちで。(可能であれば椅子持参が良いと思います^^;)
何日か続けてみることで必ず見えてくるものがります。

自分以外は自分ではないのです。
自分だけでは品質保証はできません。
ものさしをお揃いにして、問題をみつけることからはじめませんか?

2022年8月6日

Categories
パソコン操作 品質

ISO9001の改訂

ISO規格は5年に一度見直しが行われ規格本文の改訂が行われるお約束です。
2015年に改訂版が発行され7年。あれ?うちのマニュアル参照規格は2015年だぞ…と思われた皆さん、今回は2020年に規格の改訂は行わないと国際標準化機構で決定され公表されています。

この事実をどうとらえるか?
「改訂ないの?改定しなくてよいの!よかった ε-(´∀`*)ホッ 」

日々の業務の中では色々なことが起こり、見直しや変更、改善が行われていると思います。これを人の記憶にだけとどめておくと、どうしてもアバウトになってしまい、うやむやになってしまいます。わたしは伝言ゲームのイメージがしっくりきます。最初に決めたことが人を介するうちに全く違うことになっていたといった感じです。

だから記憶より記録。文書化することで振り返り時に「こう決めた」という振出しに戻れると思います。(もちろん、マニュアルを見る。という行動は必要です。また、これを定着させることも難しいのですが…別の機会にゆずります)

専任者がいない企業では、改善などでの変更があっても次の改訂の機会にマニュアルに反映しよう…となっているケースが多く、次の改訂までの時間が空けばあくほど、記憶は曖昧になっていることが多いです。しかも自分オリジナル解釈になっていることも多いです。

せっかく改善したのだから、”連絡文”や”周知文書”といった形でよいので文書化しておくことで、思い出す時間のロスも少なくなるのではないかと思います。

ここでもう一つ加えていただきたい項目として、そういった手順になった理由や目的、原因です。
この”理由”や”目的”がはっきりしていないと、決めたやり方はやりにくいから等の理由で元に戻ってしまったり、後々の見直しの機会などで不要と判断され手順がなくなってしまったりする要因になっていることが多いです。

ここで今日のテーマですが、「ISO規格の改訂=マニュアル改訂の機会」という企業もあるかと思います。規格の改訂がなかったからよかった…的な感覚で、せっかく行った改善が定着しないことはもったいないですよね。また、再発といったリスクも増加します。

確かに、数十ページのマニュアルや文書を改訂し、印刷し、文書管理しというとお金も時間もかかりますよね。しかし、ISO9001が誕生した1994年ごろと違い、今はパソコンやスマホのようなデバイス(情報にアクセスするための端末)とデータを共有するためのサービスが身近に安価に手に入るようになりました。パソコンとインターネットの環境があれば、コストをかけずに紙に印刷しなくても簡単に文書を共有することも可能になりました。しかも、文書管理の手間も紙マニュアルの配布と比べると10分の1以下で可能です。

初めての方には難しいイメージがあるかもしれませんが、習うより慣れろで、できる内容も多いです。ご興味があられる方は是非、文書共有などのキーワードで検索してみてください。いろいろなサービスが提供されています。
大変、たいへんといながら何回もやるより、改善の方法を探す方が建設的です。
必要は発明の母ですよね。

このテーマでお伝えしたかった事
 1.記憶より記録の方が楽に確実に運用できる
 2.あとで…や次の機会に…よりも、すぐやるほうがロスが少なく効率が良い
 3.大変だと嘆くより楽にできる方法を探すための方法を考える